写真と出来事とデータで振り返る~2007年F1世界選手権~の続き。
個人的な感想などを書いていきます。
まずはドライバーから。
【点数】【ポールポジション回数】【ファステストラップ回数】【優勝回数】
当然ながら、フェラーリとマクラーレンだけの争い。
しかし、フェラーリの方が各所で勝っています。
去年は、ルノー・フェラーリだけではなかったんですが、今年は2チームが抜けてました。
結局、ポールポジション回数が同数トップのハミルトンとマッサはポールトゥウィンしか今季はできませんでした。
マッサはそれがスタイルになってきてますが、ハミルトンは今後どうなっていくでしょうか。
【表彰台回数】【連続表彰台回数】
フェラーリ、マクラーレン以外にBMWが顔出し。
ブルツがカナダで3位、ヨーロッパで4位(直前走ってたウェバーが最終シケイン出口でふらついて差せそうだった)と2回に非常に近い成績。
ハイドフェルドはたびたび2強チームの4強ドライバーの一人を蹴落としてました。
【入賞回数】【連続入賞回数】
アロンソ、恐るべし。
この辺りは若くしてミハエルとやりあいつつ身についた老練さのなせる業?
ここでもBMWが食い込んで、コヴァライネンも上位に名を見せています。
【完走回数】【連続完走回数】
完走なくして成績なしは最近のF1で特に顕著ですが、ここで新人コヴァライネンがトップ。
これで2005年のモンテイロの記録を破ったんですねぇ。
最終戦ブラジルでの初リタイアが残念。
マクラーレンは去年からうって変わって信頼性高いです。
【リタイア回数】【連続リタイア回数】
トロロッソ、レッドブルの赤牛軍団の名前ばかりが・・・
今シーズン、ギアボックストラブルには最後まで泣かされました。
来季は4GPを使わなければ5グリッド降格、ファンとしては今からヒヤヒヤものです(苦笑)
【各順位回数】
1~3位は順当。
4~6位をBMWザウバー勢が占めて、トップ3チーム入りの現実をしっかり示してます。
7・8位には、コヴァライネンがまたまた名前出して、開幕前の評価に違わぬ結果を出しています。
次はコンストラクター編。
【点数】
BMW、ワークス2年目で2位獲得(マクラーレンがコンストポイント剥奪のため)。
また、目標としていた100pもしっかり超えてます。
ウィリアムズ、見事な復活。
【ポールポジション回数】【連続ポールポジション回数】【優勝回数】【連続優勝回数】
フェラーリ・マクラーレンが拮抗。
【ファステストラップ回数】【連続ファステストラップ回数】
ファステストラップだとフェラーリ圧勝。
【表彰台回数】【連続表彰台回数】
なんとマクラーレンが17戦全てで表彰台、当然連続~もトップ。
フェラーリも回数だと準パーフェクトです。
【入賞回数】【連続入賞回数】
入賞となると3強チームが全てのレースで入賞。
信頼性の欠如=確実に脱落、です。
去年までの王者、ルノーも4番手キッチリはさすが。
【完走回数】【連続完走回数】(両ドライバーが完走)
BMWザウバーが唯一ルノーの後塵を拝した部門。
去年型の信頼性、(中盤くらいまでは)パフォーマンスもあったスーパーアグリ、2人が完走したレースが9回ってのは少ない印象。
【リタイア回数】【連続リタイア回数】(どちらか一方でもカウント)
ドライバー部門同様、赤牛軍団がすごすぎます。
日本勢も結構上にきちゃってます。
【各順位回数】
BMWザウバーは4~6位回数トップ、ルノーは8位回数のみがトップとこの2チームの差がくっきり。
次は個人的感想。
【レギュレーション】
タイヤワンメイク、無難に滑り出した1年目という感じですかね。
ただ、シーズン中書きましたが、進行に合わせ何回かに分けて持ち込みタイヤを発表・変更する方式はやめてほしい。
「あるチーム」に合っている方向にズラして・・・なんて疑念を持つので。
あとは、クレーンだSC車間だ予選妨害だ燃料温度だその他諸々だと、あまりにもひどい運用が目立ちました。
特に最初から決まっているルールがあるのにもかかわらず、後から違反していた行為を追認するようなルール改定や、その時はOKだったけどやっぱり禁止にしますとか、去年までも随分FIAやらスチュワードやらにはうんざりさせられてきましたが、今年は本当にひどかった。
レギュレーションにないことが起こる→とりあえずそのGPは穏便な形にしておく→後に新規定を作る、という流れじゃないんだもの。
このあたりは来年しっかりやってもらいたいところ。
そうでなければ本当に「F1はもはやスポーツではない。」状況に陥ります(いやいや随分昔からスポーツじゃないよってこともあるか)。
【ベストGP】
ヨーロッパGP。
あの雨の降り方とか絶妙なスパイスだった。
そこで脱落するドライバーと脱落しないドライバーの差も見れた気がするし。
そして、ポディウム前のアロンソvsマッサ、よかったです(笑)
次点、中国GP。
ハミルトン&マクラーレン、アロンソを敵視しすぎて・意識しすぎて自滅、これは爽快でした。
【ワーストGP】
ハンガリーGP。
予選でのマクラーレンのごたごた、決勝ではなにもできなかった後ろのライコネン。
去年が面白すぎただけ?
次点、日本GP。
現地観戦ではないので、P3が小刻みに短縮されて結局5分くらいしかなかったくらいにしか怒りがない。
それでも、現地運営状況を聞いているとイライラムカムカするものがあったし、来年大丈夫なの?との思いもあるので。
ただ、最近の富士話はほとんどが鈴鹿派の逆恨みなのか、現地組からの適格な批判なのかごっちゃになってる感もある、というか徐々に前者ばかりになってるような。
【ベストチーム】
BMWザウバー。
着実な進化でトップ3の座を強固なものに、来年も開発も順調なようで来年にも期待が繋がります。
政治的な面ではフェラーリ圧倒的、見かけの成績だとマクラーレン。
ただ、この両チームはうさん臭い点が多いのも確か。
【ワーストチーム】
トロロッソ、スーパーアグリ。
ポイント獲得した時は歓喜だけど、やっぱり自分はカスタマーカー嫌だ。
一応、両チーム今季のマシンは「法的には」問題なしということは書いておきます。
この2チームが先走ったおかげで、来季参戦予定のプロドライブどころか、参戦中の当の2チームの来季まで危ういものに。
【ベストドライバー】
K.ライコネン。
マッサのヘルプありでのチャンピオンですが、これは過去のチャンピオンもそういうものだったし、後半の表彰台ラッシュはチャンピオンにふさわしい。
優勝回数トップだからチャンピオンにふさわしい云々は、今その回数でチャンピオンを争ってるわけではなく、シーズン終了時点でのポイントで争っているものだから特には取り上げません(優勝回数トップはすばらしいことだけど)。
時点、応援込みのアロンソ。
何回も書いてる通り、あの悲惨な置かれた状況で2位と同ポイント3位は前チャンピオンの力を見せたのでは。
ただ、今季はタイヤだのチーム内部だので去年までの走りの勢いは感じなかったのが寂しい。
あとコヴァライネン、開幕戦のスピンで評価を引きずられてたけど、終わってみればこの人もスーパールーキー。
【ベストルーキードライバー】
コヴァライネン、スーティル。
3番手にハミルトン、FIA・スチュワード・チームの優遇差し引いてもすばらしい才能を見せたんじゃないかと、嫌いになりましたけど(笑)
【ベスト3rdドライバー】
今年って中嶋以外にいたっけ?
来季ウィリアムズなりトヨタなりでレギュラードライブできるなら頑張ってください。
ブラジルでのファステスト5位ってのは、去年のアグリ2人みたいに狙った可能性もあるんで何とも。
【2007年シーズン】
カスタマーカーに始まり、スパイで中盤~終盤、そしてシーズン終了後も燃料温度で国際控訴裁判所に・・・と開幕前から閉幕後までとにかく今年は裁判、裁判の1年だったような印象です。
当事者は訴えることで正しいと思っている自分の意思を通したいんだろうから、それについて言うのもなんですが、それにしてもあまりに多すぎて、裏側での考えもチラリどころかミエミエな感じがして、シーズンに暗く重いものを残しました。
2チームどちらかが正しいのか悪いのかは本人達しか知りえないようではありますが、とりあえずマクラーレンが自滅・フェラーリのライコネンが逆転でチャンピオンというのは、ブラジルGP終了後に川井ちゃんも言っていたし、前々から自分も思ってましたが、形の上で収まるべきところに収まったかなという感じです。
コンストラクターズチャンピオンシップはこんな流れの今年ではあってないようなものかなぁ、と。
ドライバーの方面では、去年終了時ではミハエルが一線級でやり続けて5年連続チャンピオンなんてこともあって、30代のドライバーは日の目を見ることなく時代がアロンソ、ライコネン、マッサ、バトンあたりの年代にシフトしたなぁと思ったものです。
しかし、今年を終わってみるとそれよりもさらに下の世代、ハミルトン、コヴァライネン(年齢はアロンソ世代ですが)、ロズベルグ、ベッテル、スーティルにさらにシフトしてもおかしくない状況。
シート状況が大きく違うドライバーもいるので、もうちょっと時間が必要かもしれませんが、同じシートに座ったら(アロンソvsハミルトンのように)かなりいい勝負しそうです。
そうすると、マッサ、バトンあたりには頑張ってもらわないと。
で、先に触れた30代ドライバーにはそろそろ・・・の時期が近づいています。
ラルフはトヨタ離脱でシート不明、フィジケラはアロンソの動向次第、トゥルーリ、バリチェロは契約があるにもかかわらず既にチーム首脳が来季シートの保証はないと発言、クルサード、ウェバーにも契約があるもののこちらも噂として流れるものはあって、安泰っぽいのはハイドフェルドのみ。
サーキットについて、富士については前述の通り。
問題は富士に限らず、最新・最近改修されたサーキットのランオフエリア舗装。
安全性のためという絶対的な理由があるにせよ、それまでならグラベルにつかまってリタイアだったのに悠々と復帰できてしまうことに納得行かなさが募りました(トルコかバーレーン初開催くらいから書いてはいたんだけど)。
オーバーテイクを無理に仕掛けては失敗してランオフで助かって(助かってというか、問題ないから無理に仕掛けるんだと思いますが)、それを複数回繰り返す・・・と。
なんだか緊張感がないように見えてしまう。
ちょっとはみ出した場合は、人工芝エリアがあるんでそれなりにスピード落ちたりふらついたりがあるんだけど、そこさえ走り抜けちゃうスピードではみ出すとそのままほぼ全開で舗装ランオフエリアを走って復帰できる。
これも埃っぽいとかでロスはあるんでしょうが、やった程度とロスが釣りあってないような。
安全性という絶対的理由が大きくのしかかりますが、パンビーにしてみるとかで安全性を保ちつつロスを大きくするってのがせめてないとなぁ、と思います。
最後にもう一度。
今シーズンは、各レースを見ると4強ドライバーの争いや入賞争いが激しくて面白いものが多かったですが、シーズン全体としてみると非常に空虚なうんざりな場外の方が盛り上がっちゃったかなぁという感想です。
以上、2007年F1世界選手権の振り返りでした。
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